こんにちは、カリタです!
前回に引き続き総合原価計算の個別論点について解説していきます。
この記事では、
- 副産物の処理と評価
- 連産品の計算
について解説します。
副産物の評価と処理
副産物とは、
主産物の製造過程から必然に派生する物品
を言います。
何かを作る過程で派生的にできる物
のことであり、例えば、大豆から豆乳を作る際のおからの様なものです。
- 主産物
- 副産物
は、どちらの方が価値があるかにより決まります。
例えば、豆乳を主たる製品として作り、おからを副産物として扱っていた会社でも、
おからパウダーの様におからに商品的価値が産まれ主力の商品となった場合
- おからが主産物
- 豆乳が副産物
となることも考えられます。
このように、主産物・副産物の考え方は会社によって異なります。
基本的に、簿記1級の問題文には指示がある
ため、判断できるようになる必要はありません。
副産物の評価
先ず、副産物を、
- 外部に売却できるもの
- 自家消費されるもの
にわけます。
外部に売却できるものについては、
見積売却価額から販売費および一般管理費(又は通常の利益の見積額も)を控除した額
自家消費されるものについては、
これによって節約されるべき物品の見積購入価額
を副産物の価額とします。
なお、加工の上、
- 外部に売却できるもの
- 自家消費されるもの
については、
- 見積売却価額
- これによって節約されるべき物品の見積購入価額
から、加工費を控除します。
簡単に言うと、処分・使用することによって得られる
- 利益
- 費用の節約
の額を副産物の価額とします。
副産物の処理
副産物は、
その価額を算定してこれを主産物の総合原価から控除する
とされています。
つまり、原則、
原価のマイナスとして処理
します。一方で、
軽微な副産物は、
これを売却して得た収入を原価計算外の収益とすることができる
とされています。
つまり、例外的に、
原価計算外で処理(売上、営業外収益又は特別利益)
として処理することが認められています。
連産品の計算
連産品とは、
同一工程において同一原料から生産される異種の製品であって、相互の主副を明確に区別できないもの
です。
例えば、マグロを一本仕入れた場合の
- 大トロ
- 中トロ
- 赤身
等が連産品と言えます。
どれも、商品として提供できるためです。
うちは大トロしかやらねえ
と言う寿司屋であれば、大トロ以外は副産物や作業くずとなります。
連産品の価額
連産品の価額は、
連産品の正常市価等を基準として定めた等価係数に基づき一期間の総合原価を連産品にあん分して計算する
とされています。
マグロの例えで言えば、
- 大トロ
- 中トロ
- 赤身
の売値で原価を按分すると言うことです。
この際に、加工費が生じる場合には、
売値から加工費を差し引いた後の金額で按分
します。
結局のところ何をしたいかと言うと、
連産品それぞれの粗利益率が同じになる様に計算したい
と言うことです。
最後に
総合原価計算は、
計算手順自体は単純なため後は演習あるのみ
です。
本試験までに、過去問や問題集を繰り返し解いて100点が取れる状態にしておくことが望ましいです。