【簿記1級】経費対策3つのポイントを解説!

【簿記1級】経費対策3つのポイントを解説!

こんにちは、カリタです!

経費計算は2016年以降の簿記1級で、

  • 工業簿記第147回 資料Ⅰ(4)

に出題されています。

商工会議所のホームページで公表されている経費計算の試験範囲は下記の通りです。

  • 経費の分類
  • 経費関係の証ひょうおよび帳簿
  • 経費の計算、複合費の計算

試験範囲は上記の通りですが、

簿記1級の試験範囲は簿記2級の試験範囲も含んでいるため、簿記1級では主に

  • 製造原価か否かの判定
  • 経費か否かの判定
  • 直接経費・間接経費の判定

できるかがポイントになります。

それぞれおさえておきましょう。

経費とは

経費とは、

製造原価の内、材料費、労務費以外の原価要素

を言います。

商業簿記・会計学的に考えると経費として一般管理費を思い浮かべると思いますが、

ここでの経費とは、

  • 直接経費
  • 間接経費

となる経費のことで、

製造原価の内訳

を指します。

経費の金額

なお、経費の金額については、

基本的に商業簿記・会計学と同じ考え方

です。

そのため、あらためて計算式を覚える必要はありません。

商業簿記・会計学と異なるのは、

予定価格又は予定額の使用が認められている

という点です。

経費の判定

製造原価の内、材料費、労務費以外の原価要素のことを経費というため、

  1. 製造原価であるか否かの判定
  2. 経費か否かの判定
  3. 直接経費・間接経費の判定

の手続きにより原価計算を進めることになります。

製造原価

原価計算基準の原価は、

  • 製造原価
  • 販売費
  • 一般管理費

ですので、

ここを判定する必要があります。なお、

  • 営業外費用
  • 特別損失

は原価計算基準の範囲外とされています。

製造原価とは、

一定単位の製品に集計された原価

とのことです。

製造をするためにかかる経済的資源(人・物等)の消費を金額で表したもの

とも言えます。

製造原価か否かの判定は、

商業簿記・会計学とも関係する

ため、間違えたらその都度丁寧に見直しをしていきましょう。

経費

経費とは、

製造原価の内、材料費、労務費以外の原価要素

を言います。

材料費
 物品の消費によって生ずる原価
労務費
 労務用役の消費によって生ずる原価

であるため、

いきなり、経費か否かと考えるのではなく、

  • 物品の消費
  • 労務用役の消費

にあたるか否かから判定していくことがおすすめです。

直接経費・間接経費

簿記1級対策のために特に重要な点は、

直接経費・間接経費の分類

です。

そもそも、

  • 直接費
  • 間接費

による分類のことを

製品との関連における分類

と言います。

製品との関連における分類とは、

一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかの性質上の区別による分類

です。つまり、

製品の製造と直接的に紐づけることができるか否か

によるものです。そのため、

直接費
 特定の製品と紐づけられる原価
間接費
 特定の製品と紐づけられない原価

と言えるため、この基準により、

  • 直接経費
  • 間接経費

を判定していきます。

なお、原価計算基準には、

  • 直接経費
  • 間接経費

が例示列挙されていますので紹介させて頂きます。

直接経費

  • 外注加工費

間接経費

  • 福利施設負担額
  • 厚生費
  • 減価償却費
  • 賃借料
  • 保険料
  • 修繕料
  • 電力料
  • ガス代
  • 水道料
  • 租税公課
  • 旅費交通費
  • 通信費
  • 保管料
  • たな卸減耗費
  • 雑費

上記によると、原価計算基準上、

直接経費と例示されているのは外注加工費のみ

であるため、

  • 物品の消費
  • 労務用役の消費

の基準で判定できない場合には、

外注加工費以外は間接経費として処理

しても良いと思います。

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