こんにちは、カリタです!
この記事は、簿記1級を勉強されている方に向けて、工業簿記・原価計算とは何だろうと言うイメージをつかんで頂くことを目的とした記事になっています。
わたし自身、簿記2級、3級を飛ばして、いきなり簿記1級から勉強を始めましたので、工業簿記・原価計算を今まで勉強したことが無い方でもわかるような内容を意識しています。
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工業簿記ってなに?
工場経営の特質と工業簿記の特色
工業簿記とは、工業経営において使われる簿記のことです。
工業経営とは、いわゆるものづくりの会社の経営ことです。
商業では商品を仕入れて売るなど商品を仕入れる時点で、商品の原価わかりますがものづくりではそうではいきません。
なぜなら、自社で製品を作るためです。
製品を作るために、
- 材料を購入し
- 労務費、
- 経費を支払います。
つまり、工場では、商業簿記で言う
- 売上原価 や
- 棚卸資産
を計算しないとわかりません。
ものをつくることこそが工業簿記の特質であり、
製品の原価をどのように計算するのかということが工業簿記の大きなテーマ
になっています。
材料費、労務費、経費の発生から、製品原価の計算までという一連の流れを簿記に組み込むことが商業簿記との大きな違いであり工業簿記の特色といえます。
原価計算基準
製品の原価を計算するとしても、各社作っているものも違えばものづくりに関する考え方も違います。
しかし、各々が、好きなように製品の原価を計算してしまうと、製品原価の計算を通じて利益が操作できるようになるなどの不都合が生じます。
そこで、一定の計算秩序として常時継続的に行われる原価計算のルールが必要になり、企業における原価計算の慣行うちから、一般に公正妥当と認められるところを要約して設定されたものである原価計算基準というものが設定されました。
工業簿記では、この原価計算基準にもとづいた製品原価の計算を重点的に学習していきます。
工業経営における責任センター
工場では、常に同じものが同じ原価で作れるとは限りません。
なぜなら、同じものを作っていたとしても、
- 材料の価格の変動や
- 残業の有無
などにより原価が変動することがあるためです。
製造原価が変動した際に、何がまずかったのかを把握するためにも
- 購買部門
- 作業部門
- 修繕部門
など、誰に管理の権限と責任があるのかを明確にするために、
- 責任センターを設置し
- 管理の単位においてかかったコストを見える化し
- 原価発生の責任を明らかにさせること
が工場経営においては必要とされ、これが工業経営の特質ともいえます。
原価計算ってなに?
原価計算と言う科目は、簿記1級において、
原価計算か原価計算以外か
というぐらい他の科目と異なります。
工業簿記では、すでに製造原価が発生しそれをつかってどのように製品原価の計算をしていくのか。
ということが製品原価の計算として大きなテーマになっていました。
しかし、原価計算では、
製造原価、一般管理費などの原価が実際に発生する前の時点で将来を予想することが原価計算の大きなテーマ
になっています。
- ある条件をもとに決算書がどういう結果になるのかといった予算編成
- 赤字を回避するためにはどれだけ売らなければならないのかという損益分岐点分析
- 一番儲かる方法はなにか というCVP分析や意思決定
- 経営戦略のためにおこなう原価計算
などが出題され、工業簿記の応用や経営的な考え方をダイレクトに問われることになります。
そのため、本試験において、初見の問題を見た際に、どれだけ食らいつけるのかと言うのが、重要で、学校の授業やテキストをいくら勉強しても、問題文を正確に読み取れないと点数に繋がりません。
反対に、覚えること自体は少なく、コツさえつかめれば少ない勉強時間でも点がとれるため、得手不得手が一番わかれる科目だと思います。
原価計算の対策
原価計算の対策としては、
色んなパターンの問題を解き初見の問題に慣れておくこと
です。
本試験で初見の問題が出た際に、
- 問題文を注意深く読み
- 指示に従って問題を解く
ための練習です。
初見の問題に慣れるために一番有効なのは当然のことですが初見の問題を解くことです。
しかし、過去問と同じレベルの問題をたくさん準備することは困難です。
手に入りにくい良質な初見の問題(過去問等)を無駄にしないためには、丁寧に解くことが大切です。
そのためには、思考過程をメモしながら問題を解くことつまり、初見の問題文を読んで
- 自分がどのように考え
- どのように答えを出したのか
をメモしておくことで、
- なぜ間違えたのか
- 間違えないためには何をしたらいいのか
が明白になります。
初見の問題を解く貴重なチャンスを大切に活用し、是非得意科目にしてください。