こんにちは、カリタです!
この記事では、製造部門費の製造部門への配賦方法
- 単一基準配賦法と複数基準配賦法
- 実際配賦と予定配賦
について解説していきます。
単一基準配賦法と複数基準配賦法
補助部門費を製造部門へ配賦する際に、
変動費と固定費との観点
から下記の2つの補助部門費の配賦方法があります。
- 単一基準配賦法
- 複数基準配賦法
とにわけることができます。
この基準は、例えば、修繕部補助部門費等を配賦する際に、
- 実際修繕時間
- 修繕能力
等、どの配賦基準を使って製造部門への配賦を行うかの内容です。
つまり、例えば、修繕部補助部門費を
- 実際配賦
- 直接配賦法
を使って補助部門費を製造部門へ配賦する際に、
- 実際修繕時間
- 修繕能力
のどちらを使って配賦するのかの内容です。
単一基準配賦法
単一基準配賦法とは、
部門費を変動費と固定費に区分しないで配賦する方法
です。つまり、
変動費も固定費もまとめて単一の基準で配賦する
ため、単一基準配賦法と言います。
単一基準配賦法では、
消費量をもとに配賦
します。
そして、消費量には下記の物があります。
補助部門 | 消費量 |
---|---|
動力部 | 実際動力運転時間 実際動力供給量 |
修繕部 | 実際修繕時間 |
一般的に消費量とは、
補助部門が用役を提供するに伴って増加するもの
です。
複数基準配賦法
複数基準配賦法とは、
部門費を変動費と固定費に区分して配賦する方法
です。つまり、
変動費と固定費を別々の基準で配賦する
ため、複数基準配賦法と言います。
変動費
変動費は、
消費量をもとに配賦
します。
単一基準配賦法と同じ配賦方法
です。
固定費
固定費は、
消費能力をもとに配賦
します。
そして、消費能力については基本的に、
補助部門の年間用役提供能力
と記載された資料があります。
その中から、
- 動力部であれば動力供給量
- 事務部であれば従業員数
等、補助部門と関係のある消費能力に基づいて配賦します。
なぜ固定費については消費能力で配賦するのかと言うと、
固定費は消費量と関係なく発生する
ためです。
つまり、消費した量に関係なく発生するのであれば、
消費した量ではなく消費できる量(能力)
を基準に配賦する方が適切と言うことです。
実際配賦と予定配賦
補助部門費を製造部門へ配賦する際に、
実際か予定かの観点
から下記の2つの補助部門費の配賦方法があります。
- 実際配賦
- 予定配賦
とわけることができます。
単一基準配賦法×予定配賦
単一基準配賦法の予定配賦に関しては、
製造間接費の予定配賦と同じ考え方
です。
変動費も固定費も実際消費量を基準に配賦するため、
差異分析では、
- 変動費:変動予算差異
- 固定費:固定予算差異・操業度差異
上記の差異を分析していくことになります。
複数基準配賦法×予定配賦
複数基準配賦法の予定配賦では、
- 変動費は実際消費量
- 固定費は消費能力
で配賦するため、
固定費を予算額で配賦できる
点で製造間接費の予定配賦と異なります。
どういうことかを下記解説します。
先ず、固定費配賦率は消費能力を基準に算定されます。
<固定予算額÷消費能力=固定費配賦率>
そして、複数基準配賦法によれば、固定費は消費能力を基準に配賦されます。
<固定費配賦率×消費能力=固定費配賦額>
つまり、
固定費配賦額は固定予算額(月間)と一致する
ことになります。そして、
固定費を予算額で配賦しているため操業度差異は生じない
ため、差異分析では、
- 変動費:変動予算差異
- 固定費:固定予算差異
上記の差異を分析していくことになります。