【簿記1級】部門別計算 Vol.5 補助部門費の製造部門への配賦方法(2)

【簿記1級】部門別計算 Vol.5 補助部門費の製造部門への配賦方法(2)

こんにちは、カリタです!

この記事では、製造部門費の製造部門への配賦方法

  • 単一基準配賦法と複数基準配賦法
  • 実際配賦と予定配賦

について解説していきます。

動画解説始めました!

単一基準配賦法と複数基準配賦法

補助部門費を製造部門へ配賦する際に、

変動費と固定費との観点

から下記の2つの補助部門費の配賦方法があります。

  • 単一基準配賦法
  • 複数基準配賦法

とにわけることができます。

この基準は、例えば、修繕部補助部門費等を配賦する際に、

  • 実際修繕時間
  • 修繕能力

等、どの配賦基準を使って製造部門への配賦を行うかの内容です。

簿記1級 補助部門費の配賦方法

つまり、例えば、修繕部補助部門費を

  • 実際配賦
  • 直接配賦法

を使って補助部門費を製造部門へ配賦する際に、

  • 実際修繕時間
  • 修繕能力

のどちらを使って配賦するのかの内容です。

単一基準配賦法

単一基準配賦法とは、

部門費を変動費と固定費に区分しない配賦する方法

です。つまり、

変動費も固定費もまとめて単一の基準で配賦する

ため、単一基準配賦法と言います。

単一基準配賦法では、

消費量をもとに配賦

します。

そして、消費量には下記の物があります。

補助部門消費量
動力部実際動力運転時間
実際動力供給量
修繕部実際修繕時間

一般的に消費量とは、

補助部門が用役を提供するに伴って増加するもの

です。

複数基準配賦法

複数基準配賦法とは、

部門費を変動費と固定費に区分して配賦する方法

です。つまり、

変動費と固定費を別々の基準で配賦する

ため、複数基準配賦法と言います。

変動費

変動費は、

消費量をもとに配賦

します。

単一基準配賦法と同じ配賦方法

です。

固定費

固定費は、

消費能力をもとに配賦

します。

そして、消費能力については基本的に、

補助部門の年間用役提供能力

と記載された資料があります。

その中から、

  • 動力部であれば動力供給量
  • 事務部であれば従業員数

等、補助部門と関係のある消費能力に基づいて配賦します。

なぜ固定費については消費能力で配賦するのかと言うと、

固定費は消費量と関係なく発生する

ためです。

つまり、消費した量に関係なく発生するのであれば、

消費した量ではなく消費できる量(能力)

を基準に配賦する方が適切と言うことです。

実際配賦と予定配賦

補助部門費を製造部門へ配賦する際に、

実際か予定かの観点

から下記の2つの補助部門費の配賦方法があります。

  • 実際配賦
  • 予定配賦

とわけることができます。

単一基準配賦法×予定配賦

単一基準配賦法の予定配賦に関しては、

製造間接費の予定配賦と同じ考え方

です。

変動費も固定費も実際消費量を基準に配賦するため、

差異分析では、

  • 変動費:変動予算差異
  • 固定費:固定予算差異・操業度差異

上記の差異を分析していくことになります。

複数基準配賦法×予定配賦

複数基準配賦法の予定配賦では、

  • 変動費は実際消費量
  • 固定費は消費能力

で配賦するため、

固定費を予算額で配賦できる

点で製造間接費の予定配賦と異なります。

どういうことかを下記解説します。

先ず、固定費配賦率は消費能力を基準に算定されます。

<固定予算額÷消費能力=固定費配賦率>

そして、複数基準配賦法によれば、固定費は消費能力を基準に配賦されます。

<固定費配賦率×消費能力=固定費配賦額>

つまり、

固定費配賦額は固定予算額(月間)と一致する

ことになります。そして、

固定費を予算額で配賦しているため操業度差異は生じない

ため、差異分析では、

  • 変動費:変動予算差異
  • 固定費:固定予算差異

上記の差異を分析していくことになります。

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