こんにちは、カリタです!
簿記1級の勉強について周りに相談したことがある方は、
過去問が大切
という話しを一度は聞いたことがあると思います。
この記事では、簿記1級・全経上級ホルダーが、
- 過去問を解いたことが無い方
- 過去問を解こうか迷っている方
- なぜ過去問が大切なのか疑問を感じている方
向けに、
- なぜ過去問が大切なのか
- 過去問の正しい使い方
について解説しています。
なぜ過去問が大切なのか
一番手っ取り早く簿記1級に合格するには、作問者に何が出題されるのかを教えてもらうことです。
とは言え、作問者に会いに行き、何が出題されますかと聞くことはできません。
しかし、間接的に作問者に聞くことはできます。
間接的に作問者に聞くただ一つの方法、それは、
過去問を見ること
です。
試験問題は『人』が作問しています。
そのため、過去問には、
簿記1級合格者になるにはこのレベルの問題を解いて欲しい
との作問者の想いが込められています。
その想いに耳を傾けるために過去問を解く必要があると言うことです。
簿記1級のレベルを知るとどうなるのか
簿記の世界は広く深いです。
私自身、簿記1級・会計士試験に合格して10年以上経ちますが、知らないことやわからないことが多く日々勉強しています。
大げさ話ではなく、簿記をどのくらい理解しているかと聞かれれば全体の1%にも満たないと思います。つまり、
そもそも完ぺきに理解することは不可能
と言うことです。そして、試験において、
そもそも完ぺきは求められていない
です。
では、どのくらいのレベルが求められているかというと、それは、
過去問のレベル
と言えます。
簿記1級のレベルに達していないと合格出来ませんが、簿記1級のレベル以上に勉強してしまうと合格までに時間がかかり過ぎます。
つまり、簿記1級のレベルを知ることで、
有効かつ効率的な勉強ができるようになる
と言うことです。
正しい過去問の使い方
過去問を解く際に
- どのような形式で出題されているか
- 用語に解説があるか
を確認することです。
どのような形式で出題されているか
試験範囲の内容がどのような形式で出題される可能性があるのかを確認します。
計算問題なのか理論問題なのかから、計算問題の場合にはどのような形式で出題されるのかを確認します。
そして、どのように対策する必要があるのかを考えて解くことが大切です。
用語に解説があるか
過去問を見ると、作問者が簿記1級合格者に対して、
何を知ってて当然の知識と思っているか
を知ることができます。
例えば、問題文に「階梯式配賦法を用いている」とのみ記載されているとします。
この場合、作問者は簿記1級に合格するレベルの人であれば「階梯式配賦法」とは何かを知っていて当然と思って作問しているかもしれません。
そして、同レベルの論点についても知っていて当然と思っているかもしれません。
次に、過去問に用語の解説があるものに関しては、過去出題したため今後は知っていて当然と思うかもしれません。
一方で、同レベルの論点に関しては、未だ出題したことがないため知っていて当然とまでは思わないかもしれません。
そのため、過去問から下記の様に勉強の優先順位を知ることができます。
- 過去問に出題されたものすべて(必須)
- 用語の解説なく出題されたものと同レベルの論点(必要)
- 用語の解説され出題されたものと同レベルの論点(余力があれば)
過去問はいつから解き始めるべきか
過去問を解くタイミングは大きく分けて下記の2回あります。
- テキストの1テーマが終わった後
- テキストが一通り全部終わった後
それぞれ解く範囲と目的が異なります。
テキストの1テーマが終わった後
例えば、テキストの実際原価計算というテーマが終わった後、過去問の実際原価計算に関する問題を解きます。
解く範囲
過去問第〇〇回と過去問の1回分全てではありません。
過去問を第〇〇回第〇回問〇と細かく区切り、テキストで勉強したテーマ範囲のみを解きます。
解く目的
テキストでインプットした内容について、過去問レベルで実際に解けるかを確認するために過去問を解きます。
ここで、過去問が全く解けないのであれば、
テキストをインプットするレベルをあげる必要がある
と言うことです。
そして、この際、過去問で出題されなかった範囲についても、
過去問と同じレベルで出題されたら解けるか?
を意識してテキストを復習することが大切です。
テキストが一通り全部終わった後
テキストが一通り終わった後、過去問全てを解きます。
解く範囲
最低直近5回分、出来れば過去問題集すべてが理想です。
解く目的
- 試験に慣れること
- 理解度を図ること
を目的に本試験と同じように解きます。
本試験の時間内に解けるのが理想ですが、時間をオーバーしても最後まで解きます。そして、
問題を解く際に過程を残してください。
採点をする際には答案用紙の答えだけではなく、解説とあなたの解き方を比べ理解に誤りがないかを確認することが大切です。
例え答案用紙の答えがあっていても、解き方に誤りがあると違う形式で出題された際に間違える恐れがあるためです。
間違えたところは、
- なぜ間違えたのか
- 同じ間違いをしないためにはどうしたらいいのか
を考えることが大切です。
同じ間違いをしないためには、
- 次からは気を付けよう
- もっと気を付けよう
といった将来の自分に対する期待ではなく、
仮にその対策をしていたらその間違いをしなかった
であろう問題を解く前の自分に対して対策を立てることが大切です。
過去問は何回解くべきか
本試験と同様に解くのは、
最低1回
理想は2から3回です。
そして、解いた問題は必ず見直しをします。
見直しをする際には、1度目に解いた答案用紙と解く過程を残して置き、正解した箇所はサラッと解説を確認し、間違えた個所は同じ間違いをしないためにどうしたらいいのかを何度も考えましょう。
そして、見直しは、
最低3回
した方が良いと思います。
見直しをする際には、長期記憶に定着させるため、
前回の見直しから次の見直しまで最低1週間期間をあけること
がお勧めです。
直接書き込んでもいいのか
過去問は毎回出版されます。つまり、
過去問題集は使い捨て
だと思ってください。
2回、3回と解く予定であれば、問題文に直接書き込むことは避けた方が良いです。
しかし、1回しか解かない予定であれば、直接書き込んでも問題ありません。
私は、過去問を購入後、即ハサミで裁断し、直接書き込んでいます。
過去問はあくまで合格のためのツールです。
あなたの使い易い様に使いましょう。
最後に
過去問は、
簿記1級合格のためのコンパス
です。
- コンパスばかり見ていては前に進めません。しかし、
- コンパスが無ければ正しい方向に進めているのか確かめることができません。
過去問は使い方が大切と言うことです。
そして、過去問を解いた結果、思ったより解けなくても決して落ち込まないでください。
いきなり、過去問が解けなくても全く問題ありません。なぜなら、
過去問が簡単に解けるのであれば合格レベルにある
からです。
解けない問題を解けるようにすることが合格への近道です。つまり、
本試験までに解けない問題を発見できたことはラッキーなこと
なのです。
たくさん間違えて合格に近づきましょう。
どの過去問を準備すべきか
過去問題集をまだ準備されていない方は、どの過去問題集を準備したらいいのかという疑問があると思います。
基本的にどの過去問題集にも仕訳・計算過程の解説があると思いますので、
収録されている問題が多い過去問題集
がおすすめです。
おすすめの過去問題集
- TACの現役講師陣が本試験問題について解説
- 本試験形式の総合問題を解く手順の練習と、論点ごとの知識の確認ができるように構成
- 直近の過去14回分の過去問題が収録
合格するための過去問題集 日商簿記1級 '22年6月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)には、直近14回分の過去問が収録されていて、私の知る限り一番多く収録されています。
そして、大手出版社の過去問であり、皆が使っている過去問題集と言えます。
私もこの過去問を持っていますが、解説も充実しているため、自信をもってお勧めできます。