こんにちは、カリタです!
下記、商工会議所のホームページで公表されている部門別計算の試験範囲
- 部門別計算の意義と目的
- 原価部門の設定
- 部門個別費と部門共通費
- 部門費の集計
- 補助部門費の製造部門への配賦
- 直接配賦法
- 相互配賦法、純粋の相互配賦法
- 階梯式配賦法
- 複数基準配賦法
- 実際配賦と予定配賦
の内、この記事では、
- 補助部門費の製造部門への配賦の基本
について解説します。
部門費の製造部門への配賦
補助部門費の製造部門への配賦は、
簿記1級の部門別計算の中で最も重要な論点
です。
- 補助部門費の配賦の位置づけ
- なぜ補助部門費を配賦する必要があるのか
について、しっかりとおさえておきましょう。
補助部門費の配賦の位置づけ
部門別計算の流れは、
- 原価部門の設定
- 部門費の集計
- 補助部門費の製造部門への配賦
上記の通りです。
では具体的な流れを見ていきましょう。
当月製造間接の実際発生額は下記の通りだとします。
製造間接費 | 実際発生額 |
---|---|
間接材料費 | 1,000円 |
間接労務費 | 1,000円 |
間接経費 | 840円 |
合計 | 2,840円 |
そして、原価部門として、
- 第1製造部
- 第2製造部
- 第1補助部
- 第2補助部
を設定したとします。
製造間接費の実際発生額の合計額2,840円を
- 部門個別費
- 部門共通費
にわけます。仮に、
部門個別費 | 1,120円 |
部門共通費 | 1,720円 |
合計 | 2,840円 |
だとします。そして、
- 部門個別費は各部門へ直課
- 部門共通費は合理的な基準で各部門へ配賦
します。
第1製造部 | 第2製造部 | 第1補助部 | 第2補助部 | |
---|---|---|---|---|
部門個別費 | 350 | 550 | 120 | 100 |
部門共通費 | 800 | 600 | 220 | 100 |
部門費合計 | 1,150 | 1,150 | 340 | 200 |
そして、上記の
第1補助部 | 第2補助部 | |
---|---|---|
部門費 | 340円 | 200円 |
部門費を下記の
- 第1製造部
- 第2製造部
へ配賦する手続きが
補助部門費の製造部門への配賦
です。
なぜ補助部門費を配賦する必要があるのか
では、なぜ補助部門費を製造部門へ配賦する必要かというと、
- 原価管理
- 正確な製品原価の計算
のためです。
では、なぜ補助部門費を製造部門へ配賦することで
- 原価管理
- 正確な製品原価の計算
が行えるようになるのでしょうか考えてみましょう。
そもそも、製造間接費とは、
- 直接材料費
- 直接労務費
- 直接経費
の様に、
製品の製造と直接紐づけることができない
- 間接材料費
- 間接労務費
- 間接経費
の集まりです。
製品の製造と直接紐づけることは出来ませんが、
原価であるため原価の計算には含める必要
があります。そのため、
何らかの基準で製品と紐づける必要
があります。
そして、何らかの基準として製品の製造と紐づけるのであれば、
製品の製造を行っている部門を基準に配賦することが合理的
でると考えることができるため、
原価を製造部門に集計した上で製品の製造と紐づける
と言うことです。
そして、その原価を製造部門へ集計する手続きが補助部門費の配賦と言うことです。
補助部門費の配賦方法
補助部門費の配賦方法には、
- 直接配賦法
- 相互配賦法
- 純粋の相互配賦法
- 階梯(かいてい)式配賦法
- 単一基準配賦法と複数基準配賦法
- 実際配賦と予定配賦
上記の6つがあります。
そして上記の6つは、下記3つの観点にわけることができます。
- 実際配賦又は予定配賦か
- 変動費と固定費をわけて配賦するか
- 補助部門費相互の負担を考慮するか
つまり、補助部門費の製造部門への配賦は、
2×2×4=16通り
あると言うことです。
次の記事で、
- 直接配賦法
- 相互配賦法(簡便法)
- 相互配賦法(連立方程式法)
- 階梯式配賦法
について解説していきます。