こんにちは、カリタです!
前回に引き続き部門別計算について解説していきます。
下記、商工会議所のホームページで公表されている部門別計算の試験範囲
- 部門別計算の意義と目的
- 原価部門の設定
- 部門個別費と部門共通費
- 部門費の集計
- 補助部門費の製造部門への配賦
- 直接配賦法
- 相互配賦法、純粋の相互配賦法
- 階梯式配賦法
- 複数基準配賦法
- 実際配賦と予定配賦
の内、この記事では、
- 部門個別費と部門共通費
- 部門費の集計
について解説します。
この記事は、
- 部門別計算の基本をおさえる
- 理論問題の対策
のために記事の解説を一読して欲しいですが、基本的に、簿記1級の計算問題では、
部門費集計後の金額が問題文にある
ため知識としておさえておけば充分だと思います。
部門個別費と部門共通費
先ず、製造間接費を
部門と直接紐づけることができるか否か
によって
- 部門個別費(直接紐づく)
- 部門共通費(紐づかない)
とに分類します。
部門費の集計
部門個別費
部門個別費は、部門において発生したことが直接的に認識される原価であるため、
直接、原価が発生した部門に賦課
します。
部門共通費
部門共通費は、部門において発生したことが直接的に認識できない原価であるため、
- 原価要素別
- その性質に基づいて分類された原価要素群別
- 一括して等
適当な配賦基準によって関係各部門に配賦
します。
なお、工場全般に関して発生し、適当な配賦基準がわからないものは、
補助部門費として処理する
ことができます。
要するに、配賦基準がわからないものについては部門共通費とせずに、
1つの補助部門として取り扱うことができる
と言うことです。
簿記1級のポイント
部門個別費と部門共通費の各部門への集計は、
製造間接費を各部門単位に集計するまでの手続き
です。つまり、
各部門から部門共通費を配賦するのではなく、部門共通費を各部門へ配賦する
と言うことです。
そのため、問題文に下記の様な資料があった場合、
<部門別製造間接費の当月実際発生額>
第1製造部 | 第2製造部 | 第1補助部 | 第2補助部 | |
---|---|---|---|---|
部門個別費 | 350 | 550 | 120 | 100 |
部門共通費 | 800 | 600 | 220 | 100 |
上記資料に記載されている部門個別費と部門共通費は、
既に部門別に集計した金額
であるため、
各部門の部門費は資料の部門個別費と部門共通費を足した金額
になります。
つまり、資料を整理する下記の通りになります。
第1製造部 | 第2製造部 | 第1補助部 | 第2補助部 | |
---|---|---|---|---|
部門費 | 1,150 | 1,150 | 340 | 200 |
そして、上記の
- 第1補助部
- 第2補助部
の部門費を
- 第1製造部
- 第2製造部
へ配賦する手続きが、
補助部門費の製造部門への配賦
です。
補助部門費の製造部門への配賦については次の記事をご参照ください。