【簿記1級】CVP分析と損益分岐点分析対策!

【簿記1級】CVP分析と損益分岐点分析対策!

こんにちは、カリタです!

この記事では、

  • CVP分析
  • 原価予測、高低点法
  • 損益分岐点分析
  • 最適セールス・ミックス

について解説します。

それぞれ、2016年以降の簿記1級で、

  • 原価計算第147回 第2問
  • 原価計算第150回 第1問問4
  • 原価計算第157回 第1問問1
  • 原価計算第158回 第1問問1

に出題されています。

動画解説始めました!

CVP分析とは

CVP分析とは、

  • コスト(COST)
  • 販売量(VOLUME)
  • 利益(PROFIT)

の頭文字を使った分析のことです。

CVP分析では、

コストと販売量と利益に一定の相関関係を仮定

し、下記の様な分析を行います。

コストの変動によって
どのくらいの販売量・利益が変動するか

販売量の変動によって
どのくらいのコスト・利益が変動するか

利益の変動によって
どのくらいのコスト・販売量が変動するか

ポイント解説

CVP分析は、製品原価の計算ではありません。

そのため、一般的にコストの範囲には、

  • 売上原価
  • 販売費
  • 一般管理費

等が含まれることになります。つまり、

変動費=売上原価でありません。

そのため、売上高-変動費によって計算される

貢献利益営業利益とイコールにはなりません。

つまり、CVP分析の結果を決算書形式でまとめる際には、

  • 変動費
  • 固定費

  • 売上原価
  • 販売費
  • 一般管理費

等に組み替える必要があることに注意が必要です。

問題文の指示をしっかりと確認しましょう。

原価予測について

上述の通り、CVP分析では、

コストと販売量と利益に一定の相関関係を仮定し分析

します。

そのため、CVP分析を行うためには、

コストを変動費と固定費に区分し
販売量の変動に伴うコストと利益の変動を仮定する必要

があります。

上記に関し、簿記1級出題範囲に記載されている

原価予測の方法

は下記の通りです。

  • 費目別精査法
  • 高低点法
  • スキャッター・チャート法
  • 回帰分析法

過去、原価計算第150回において高低点法が出題されました。

そのため、高低点法について解説したいと思います。

高低点法の計算方法を簡単に説明すると、

正常なデータ内の一番高いデータと一番低いデータを使い下記の様に計算します。

簿記1級 高低点法

まず、固定費は高いデータと低いデータで同額が発生していると仮定し、

低いデータ
高いデータ

をそれぞれ、

低いデータ
固定費+低いデータの変動費

高いデータ
固定費+低いデータの変動費+低いデータとの差額の変動費

と考えます。

そして、高いデータから低いデータを差し引くことで、

低いデータとの差額の変動費額
低いデータとの差額の数量

を把握し、変動費率を計算します。

変動費率を計算した後、

高いデータまたは低いデータから変動費を差し引く

ことで固定費額を計算することができます。

損益分岐点分析とは

損益分岐点とは、

売上高とコストが等しくなる販売数量又は売上高

を言います。

損益分岐点分析とは、

損益分岐点がどこにあるのかを分析すること

を言います。

つまり、損益分岐点分析とは、

CVP分析において利益ゼロとした場合の販売量(又は売上高)を求めること

とも言えます。

CPV分析における損益分岐点分析の手順は下記の通りです。

  1. コストを変動費と固定費にわける
  2. 売上高-変動費によって貢献利益額を計算する
  3. 貢献利益額÷販売数量によって1販売あたりの貢献利益額を計算する
  4. 固定費額÷1販売あたりの貢献利益額により損益分岐点を計算する

最適セールス・ミックスとは

最適セールス・ミックスとは、

複数商品を取り扱う会社において、
限られた生産量・販売量の中で、
最も利益の生じる商品の販売の組み合わせのこと

を言います。

工場には稼働能力があり、生産できる量には限りがあります。

そして、商品についてもマーケットがあり、販売できる量にも限りがあります。

特定の条件の中で、
最も利益の出る販売の組み合わせを探っていく

ことが最適セールス・ミックスの問題です。

基本的には下記の解き方になります。

  1. 商品それぞれのコスト回収率を調べる
  2. コスト回収率の高い順に生産量・販売量を割り振る

何が一番儲かるのかを調べて、儲かる順に

  • 生産
  • 販売

していくと言うことです。

基本的に、簿記1級の最適セールス・ミックスの商品数は2から3点です。

最悪わからなければ、

総当たりでも解くことは出来る

ため諦めずに解きましょう。

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