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カリタブログ

【簿記1級】原価 Vol.2 製造原価の分類

こんにちは、カリタです!

前回に引き続き原価について解説していきます。

下記、商工会議所のホームページで公表されている原価の試験範囲

  1. 原価の意義
    • 原価の一般概念
    • 支出原価と機会原価
    • 原価計算基準の原価
  2. 原価要素、種類、態様
    • 材料費、労務費、経費
    • 直接費と間接費
    • 製造原価、販売費、一般管理費、総原価
    • 実際原価、予定原価(見積原価、標準原価)
    • 変動費と固定費
    • 管理可能費と管理不能費
    • 製造原価と期間原価
    • 全部原価と直接(変動)原価
    • 特殊原価概念
  3. 非原価項目

の内、この記事では、

  • 材料費、労務費、経費
  • 直接費と間接費
  • 変動費と固定費
  • 管理可能費と管理不能費

について解説します。

製造原価の分類

  • 材料費、労務費、経費
  • 直接費と間接費
  • 変動費と固定費
  • 管理可能費と管理不能費

これらは、

製造原価をどのように分類する

の内容です。

分類方法により、製造原価の金額や原価の範囲が変わるわけではありません。

例えば、製造原価12,000円を

  • 材料費4,000円
  • 労務費4,000円
  • 経費4,000円

や、

  • 直接費6,000円
  • 間接費6,000円

の様に、分類していく内容です。

材料費・労務費・経費

  • 材料費
  • 労務費
  • 経費

上記による分類のことを、

形態別分類

と言います。

形態別分類とは、

財務会計における費用の発生を基礎とする分類

です。つまり、

原価がどのような形態で発生したのかによる分類

です。

材料費

材料費とは、

物品の消費によって生ずる原価

を言います。

例えば、

  1. 素材費(又は原料費)
  2. 買入部品費
  3. 燃料費
  4. 工場消耗品費
  5. 消耗工具器具備品費

などがあります。

ポイント解説①

製造原価のうち、

物の消費に係る原価

が材料費に集計されます。つまり、

  • 消耗品費
  • 耐用年数1年未満の備品費

等に関しても材料費に含まれることになります。

ただし、例えば、本社(製造以外)で発生した

  • 消耗品費
  • 備品費

等は、そもそも製造原価ではないため、材料費には含めません。

ポイント解説②

棚卸減耗費は、

物が無くなってしまったことによって生ずる原価

であり、「消費」ではないため、材料費に含まれません。

労務費

労務費とは、

労務用役の消費によって生ずる原価

を言います。

例えば、

  1. 賃金(基本給の他、割増賃金含む)
  2. 給料
  3. 雑給
  4. 従業員賞与手当
  5. 退職給付引当金繰入額
  6. 福利費(健康保険料負担金等)

などがあります。

ポイント解説

製造原価のうち、

労務用役の消費によって生ずる原価

が労務費に集計されます。

つまり、例え、工場・製造関係者に関する

  • 訓練費
  • 採用コスト

等であっても労務費に含まれないと言うことです。
(経費になります。)

なお、例えば、

  • 本社従業員(製造以外)
  • 役員

に対する給料等は、そもそも製造原価ではないため、労務費には含めません。

経費

経費とは、

材料費、労務費以外の原価要素

を言います。

例えば、

  • 減価償却費
  • 賃借料
  • 修繕料
  • 電力料
  • 旅費交通費

などがあります。

ポイント解説

製造原価のうち、材料費・労務費以外を経費と言います。

そのため、いきなり、経費か否かと考えるのではなく、

  1. 製造原価か否か
  2. 物品の消費・労務用役の消費か否か

との手順により判断していくことがおすすめです。

直接費と間接費

  • 直接費
  • 間接費

による分類のことを

製品との関連における分類

と言います。

製品との関連における分類とは、

一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかの性質上の区別による分類

です。つまり、

製品の製造と直接的に紐づけることができるか否か

によるものです。

そして、原価計算のため、形態別分類で分類した

  • 材料費
  • 労務費
  • 経費

をさらに、

  • 直接材料費
  • 直接労務費
  • 直接経費
  • 間接材料費
  • 間接労務費
  • 間接経費

に分類します。なお、

  • 間接材料費
  • 間接労務費
  • 間接経費

については、まとめて、

製造間接費

として取り扱われることが多いです。

変動費と固定費

  • 変動費
  • 固定費

による分類のことを

操業度との関連における分類

と言います。

操業度との関連における分類とは、

操業度の増減に対する原価発生の態様による分類

です。つまり、

製造量増減することに比例して増減する原価か否か

によるものです。

変動費・固定費の分類は、

  • 差異分析
  • 直接原価計算

等を目的に使用されることが多いです。

定義は下記の通りです。

変動費

変動費とは、

操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素

を言います。

固定費

固定費とは、

操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素

を言います。

操業度

操業度とは、

生産設備を一定とした場合におけるその利用度

を言います。

管理可能費と管理不能費

  • 管理可能費
  • 管理不能費

による分類のことを

原価の管理可能性に基づく分類

と言います。

原価の管理可能性に基づく分類とは、

原価の発生が一定の管理者層によって管理しうるかどうかの分類

です。つまり、

管理者と管理権限に基づいて相対的に変化する

ものと言えます。

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