【簿記2級】個別原価計算における製品別計算

簿記二級講座個別原価計算における製品別計算

こんな方におすすめ

  • 個別原価計算について知りたい人
  • 製造間接費の予定配賦について知りたい人
  • 簿記2級合格を目指す人

製品別計算とは?

原価の製品別計算とは,原価要素を一定の製品単位に集計し,単位製品の製造原価を算定する手続をいい,原価計算における第三次の計算段階である。

出典:原価計算基準 第二章 一九 原価の製品別計算および原価単位

製品別計算は、費目別計算・部門別計算を行った後に行われる原価計算です。

具体的には、

個別原価計算における直接費は,発生のつど又は定期に整理分類して,これを当該指図書に賦課する。

出典:原価計算基準 第四章 三二 直接費の賦課

個別原価計算における間接費は,原則として部門間接費として各指図書に配賦する。

出典:原価計算基準 第四章 三三 間接費の配賦の(一)

図解すると下記の様になります。

費目別計算、部門別計算から原価計算表へ

直接費は直接、特定の製造指図書に賦課することができます。

製造部門別に集計された間接費は、組立部門・切削部門などの製造部門別に集計した後、製造部門と紐づく製造指図書に配賦することになります。

間接費は,原則として予定配賦率をもって各指図書に配賦する。

出典:原価計算基準 第四章 三三 間接費の配賦の(二)

製造間接費の予定配賦

製造間接費の配賦は、原則、予定配賦率をもって配賦するとされています。

部門間接費の予定配賦率は,一定期間における各部門の間接費予定額又は各部門の固定間接費予定額および変動間接費予定額を,それぞれ同期間における当該部門の予定配賦基準をもって除して算定する。

出典:原価計算基準 第四章 三三 間接費の配賦の(三)

簿記2級において、予定配賦率をどのように計算するのかというと、

月次製造間接費予算額÷月次予定直接作業時間合計=予定配賦率

として計算します。

試験対策

予定配布率を算出する際には、予定直接作業時間を使います。実際直接作業時間と間違えないように注意が必要です。

部門間接費の各指図書への配賦額は,各製造部門又はこれを細分した各小工程又は各作業単位別に,次のいずれかによって計算する。

  1. 間接費予定配賦率に,各指図書に関する実際の配賦基準を乗じて計算する。

出典:原価計算基準 第四章 三三 間接費の配賦の(六)

簿記2級において、予定配賦額をどのように計算するのかというと、

予定配賦率×実際直接作業時間=予定配賦額

として計算します。

試験対策

実際原価計算では、予定配賦を行う場合にも実際直接作業時間を使います。予定直接作業時間と間違えないように注意が必要です。

製造間接費配賦差異

製造間接費配賦差異とは,製造間接費を予定配賦率をもって製品に配賦することによって生ずる原価差異をいい,一期間におけるその製造間接費の配賦額と実際額との差額として算定する。

出典:原価計算基準 第四章 四五 実際原価計算制度における原価差異の(五)

製造間接費の予定配賦を行う場合、実際の製造間接費の金額との間に差異が生じることがあります。

この差異を製造間接費配賦差異と言います。

  • 実際発生額>予定配賦額の場合には不利差異
  • 予定配賦額<実際発生額の場合には有利差異

と言います。

  • 実際発生額>予定配賦額の場合には予定していたよりも実際に原価が多かった
  • 予定配賦額<実際発生額の場合には予定していたよりも実際に原価が少なかった

と考えることが出来ます。

製造間接費配賦差異の会計処理

実際原価計算制度における原価差異の処理は,次の方法による。

  1. 原価差異は,材料受入価格差異を除き,原則として当年度の売上原価に賦課する。

出典:原価計算基準 第五章 四七 原価差異の会計処理の(一)

簿記2級では、発生した製造間接費配賦差異は、売上原価として処理するとされています。

  • 不利差異は売上原価の増加
  • 有利差異は売上原価の減少

となります。

原価計算を迅速に行うため予定原価で原価計算を進めた場合にも、財務諸表の数値は実際発生額をもとに作成する必要があるため、後追いで調整が必要になります。

ポイント


予定配賦額よりも実際発生額の方が大きければ、後追いで追加費用を計上する必要があるため、不利差異ということです。

予定配賦額よりも実際発生額の方が小さければ、後追いで費用のマイナスを計上する必要があるため、有利差異ということです。

製造間接費配賦差異の分析

製造間接費配賦差異は実際配賦額と予定配賦額の差異です。

では、どのように差異生じるのかを分析するために、実際配賦額と予定配賦額の計算式を見てみましょう。

(月次実際発生額÷月次実際直接作業時間合計)×実際直接作業時間=実際配賦額

(月次製造間接費予算額÷月次予定直接作業時間合計)×実際直接作業時間=予定配賦額

つまり、製造間接費配賦差異は、

  • 月次実際発生額と月次製造間接費予算額の差から生じる予算差異
  • 月次実際直接作業時間合計と月次予定直接作業時間合計の差から生じる操業度差異

の2つにわけることが出来ます。

予算差異

予算差異とは月次予算額と予定配賦額との差額によるものです。

実際配賦額と月次予算額の差異が予算差異となります。

試験対策

  • 実際配賦額>月次予算額の場合は、不利差異
  • 実際配賦額<月次予算額の場合は、有利差異
  • 実際配賦額>月次予算額の場合には予定していたよりも実際は原価が多かった
  • 実際配賦額<月次予算額の場合には予定していたよりも実際は原価が少なかった

と考えることが出来ます。

操業度差異

操業度差異は、月次実際直接作業時間合計と月次予定直接作業時間合計の差から生じます。

試験対策

  • 実際直接作業時間合計>月次予定直接作業時間合計の場合、有利差異
  • 実際直接作業時間合計<月次予定直接作業時間合計の場合、不利差異

予定配賦率は、月次製造間接費予算額÷月次予定直接作業時間合計として計算されるため、

  • 実際直接作業時間合計>月次予定直接作業時間合計の場合には予定配賦率の分母が過剰になっていた
  • 実際直接作業時間合計>月次予定直接作業時間合計の場合には予定配賦率の分母が過少になっていた

と考えることが出来ます。

 

参考【簿記2級】個別原価計算の過去問

143回第4問、144回第4問、145回第4問、148回第4問

150回第4問、151回第4問、152回第4問、154回第4問

で出題されています。

 

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