【簿記1級】労務費

簿記一級講座労務費

こんな方におすすめ

  • 実際原価計算・費目別計算を勉強している人
  • 労務費について知りたい人
  • 簿記1級合格を目指す人

労務費の分類

費目別計算においては,原価要素を,原則として,形態別分類を基礎とし,これを直接費と間接費とに大別し,さらに必要に応じ機能別分類を加味して,たとえば次のように分類する。

出典:原価計算基準 第二章 一〇 費目別計算における原価要素の分類

原価計算基準に例示されている労務費の分類は下記の通りです。

直接労務費

  • 直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分する。)

間接労務費

  • 間接作業賃金
  • 間接工賃金
  • 手待賃金
  • 休業賃金
  • 給料
  • 従業員賞与手当
  • 退職給与引当金繰入額
  • 福利費(健康保険料負担金等)

実際原価計算の費目別計算では、労務費を上記のように分類します。

 

労務費の計算

(一)直接賃金等であって,作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は,実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。

出典:原価計算基準 第二章 一二 労務費計算

直接賃金等の作業時間又は作業量の測定を行なう労務費については、原則、

実際の作業時間又は作業量×賃率=労務費

として計算します。

直接賃金等は,必要ある場合には,当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することができる。

出典:原価計算基準 第二章 一二 労務費計算

なお、例外として、必要ある場合には、原価計算期間に発生した額をもって計算することも認められています。

メモ

原価計算期間の負担に属する要支払額とは、原価計算期間中に支払った額ではなく、支払義務の生じた金額、つまり原価計算期間に発生した額を言います。

(二)間接労務費であって,間接工賃金,給料,賞与手当等は,原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算する。

出典:原価計算基準 第二章 一二 労務費計算

間接労務費については、原則、原価計算期間に発生した額をもって計算します。

ちょっと一言

間接労務費は、製造部門との作業の紐付ができない労務費であるため、間接労務費の発生額を作業時間と賃率に分解する必要がありません。

 

消費賃金の計算

原則処理

賃率は,実際の個別賃率又は,職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は,必要ある場合には,予定平均賃率をもって計算することができる。

出典:原価計算基準 第二章 一二 労務費計算

原則として、

原価計算期間の負担に属する要支払額÷実際の作業時間又は作業量=平均賃率

計算します。

  • 原価計算期間の負担に属する要支払額
  • 実際の作業時間又は作業量

の集計範囲を

  • 個人ごと
  • 職場もしくは作業区分ごと

として設定します。

予定賃率による計算

例外として、必要ある場合には予定平均賃率をもって計算することができるとされています。

賃率差異とは,労務費を予定賃率をもって計算することによって生ずる原価差異をいい,一期間におけるその労務費額と実際発生額との差額として算定する。

出典:原価計算基準 第四章 四五 (四) 賃率差異

実際の平均賃率と予定平均賃率により生じる原価差異を賃率差異と言います。

原価差異は,材料受入価格差異を除き,原則として当年度の売上原価に賦課する。

出典:原価計算基準 第五章 四七 原価差異の会計処理(一)の1

賃率差異は原則として当期の売上原価として処理されます。

予定価格等が不適当なため,比較的多額の原価差異が生ずる場合,直接材料費,直接労務費,直接経費および製造間接費に関する原価差異の処理は,次の方法による。

(1)個別原価計算の場合

次の方法のいずれかによる。

  • イ当年度の売上原価と期末におけるたな卸資産に指図書別に配賦する。
  • ロ当年度の売上原価と期末におけるたな卸資産に科目別に配賦する。

(2)総合原価計算の場合

当年度の売上原価と期末におけるたな卸資産に科目別に配賦する。

出典:原価計算基準 第五章 四七 原価差異の会計処理(一)の3

予定価格等が不適当なため、比較的多額の賃率が生じた場合には、当年度の売上原価と期末材料残高、仕掛品、製品残高に配賦します。

予定価格等が不適当な場合には、予定価格を用いることが適切でない為、実際発生額で再計算するイメージです。

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