この記事で解決できるお悩み
- 原価の計算って何
- 原価の計算がよくわからない
- 原価の計算がイメージできない
原価の計算は何をやっているのかイメージできない
というお悩みはないでしょうか?
今回は上記のようなお悩みを解決できる記事を書きました。
工業簿記・原価計算の勉強を始めてすぐに、非累加法や工程別総合原価計算と言われてもイメージが出来なくて当然です。
原価の計算をイメージし易い様に今回は、たこ焼きで見てみましょう。
たこ焼きの原価
一般的なたこ焼きを作る手順は下記の通りです。
たこ焼きを作る手順
- 薄力粉・水・卵を混ぜて生地を作る
- 生地を熱したたこ焼き機の各穴の半分まで入れる
- 各穴にタコ・天かすを入れる
- 各穴に残りの生地を入れる
- 焼きながら、ひっくり返す
- 焼きあがったら皿に盛り、ネギをのせ醤油・マヨネーズをかける
これを工業簿記・原価計算風に記述するであれば下記の様になります。
たこ焼き工業簿記・原価計算風
- 第一工程の始点で、薄力粉・水・卵を投入する
- 第二工程の始点で第一工程の完成品50%を投入する
- 第二工程の加工進捗10%時点でタコ・天かすを投入する
- 第二工程の加工進捗20%時点で第一工程の完成品50%を投入する
- 第二工程の終点でネギ・醤油・マヨネーズを投入する
加工進捗度とは作業の進み具合のことを言います。
- 第一工程(混ぜる)
- 第二工程(焼く)
と仮定しています。
そして上記に、
- 材料費
- 労務費・経費(加工費)
などを割り振ることにより原価を計算していきます。
材料費の計算
では、実際に材料費を計算してみましょう。
30個のたこ焼きを作るための材料
薄力粉 | 200g |
水 | 600cc |
たまご | 3個 |
タコ | 150g |
天かす | 30g |
ネギ | 1本 |
醬油 | 15g |
マヨネーズ | 30g |
材料の単価
薄力粉 | 1キロあたり370円 |
水 | 1リットルあたり0.2円 |
たまご | 10個入り1パックあたり220円 |
タコ | 100gあたり300円 |
天かす | 120gあたり250円 |
ネギ | 1本あたり60円 |
醬油 | 500gあたり246円 |
マヨネーズ | 400gあたり400円 |
たこ焼き1個あたりの材料費を計算すると下記の通りになります。
1個あたりの材料費
薄力粉 | 370円×(200g/1,000g)=74円 |
水 | 0.2円×(600cc/1,000cc)=0.12円 |
たまご | 220円×(3個/10個)=66円 |
タコ | 300円×(150g/100g)=450円 |
天かす | 250円×(30g/120g)=62.5円 |
ネギ | 60円×(1本/1本)=60円 |
醬油 | 246円×(15g/500g)=7.38円 |
マヨネーズ | 400円×(30g/400g)=30円 |
合計 | 750円 |
そして合計750円を30個で割った
1個あたりの材料費は25円
となります。
加工費の計算
次に、時給1,200円でたこ焼きを作ってもらったとします。
時給は時の経過とともに増えていくため、
加工時間とともに加工費が増えていく
ことになります。
つまり、労務費などの加工費は
どれだけ加工(時間が経ったか等)したかが重要
になります。
たこ焼きを30個作る時間を下記の様に仮定します。
工程別の作業時間
- 第一工程(混ぜる)5分
- 第二工程(焼く)10分
たこ焼き1個あたりの加工費を計算すると下記の通りになります。
1個あたりの加工費
- 第一工程 1,200円×( 5分/60分)=100円
- 第二工程 1,200円×(10分/60分)=200円
上記を合計した30個を作るための加工費合計額は300円となります。
そして合計300円を30個で割った
1個あたりの加工費は10円
となります。
まとめ
たこ焼き一個あたりの原価
たこ焼きを30個を作った場合の1個あたりは、
- 1個あたりの材料費は25円
- 1個あたりの加工費は10円
材料費と加工費を合計すると35円となります。
35円×たこ焼き30個=1,050円となり、
- 30個の材料費合計額は750円
- 30個を作るための加工費合計額は300円
の合計額と一致していることがわかります。
ちなみにこの記事のたこ焼きの計算式は、簿記1級用語でいうところの
工程別総合原価計算
と言います。
工業簿記・原価計算のイメージがし辛い人は、先ずは身近なものの原価の計算をしてみてください。
その後、工業簿記・原価計算の勉強を進め知識とリンクさせていくと、原価の計算に関するイメージをつかむことが出来、得意科目になります。
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