この記事で解決できるお悩み
- 何を勉強をしたらいいかわからない
- 勉強しても点がとれない
- 苦手意識をなくしたい
工業簿記・原価計算って結局何を勉強したらいいの?
というお悩みはないでしょうか?
今回は上記のようなお悩みを解決できる記事を書きました。
工業簿記・原価計算の特徴
- 工業簿記・原価計算の勉強方法がわからない
- 勉強してもテストでは点がとれない
という方を多く見てきました。
しかし、そのほとんどが、
工業簿記・原価計算の勉強を商業簿記・会計学の勉強と同じもの思っていた
ことが原因でした。
実は、工業簿記・原価計算では、商業簿記・会計学と求められていることが異なるため、
勉強すべき内容が異なります。
つまり、商業簿記・会計学と同じ感覚で勉強してしまうと、
- 勉強しているにもかかわらず点数がとれない
- 結局何を勉強したらいいのかわからない
と言った工業簿記・原価計算の苦手意識に繋がってしまいます。
そのため、工業簿記・原価計算の勉強すべきポイントを解説する前に、先ずは商業簿記・会計学との違いについて解説させてください。
商業簿記・会計学との違い
商業簿記・会計学の特徴
商業簿記・会計学では、
企業会計原則や会計基準等を理解しているか
を問われています。
企業会計原則や会計基準等は公表されている明確なルールです。
テキストや問題集も企業会計原則や会計基準等に基づいて作問されます。
つまり、テキストや問題集で解いた問題がそのままの形で試験で出題されため、
パターンを覚えていれば試験である程度の点数が取れる
ようになります。
工業簿記・原価計算の特徴
工業簿記・原価計算では、
製品原価の計算や、経営管理・経営分析
について問われます。
しかし、経営管理・企業分析に関しては公表されている明確なルールがありません。
唯一の解き方がないため、テキストや問題集でも前提条件を記載した上で作問されます。
つまり、前提条件によって解答が異なるため、
パターンを覚えていても試験で点数が取れるようにならない
と言うことです。
工業簿記・原価計算の勉強方法
工業簿記・原価計算では、
前提条件を変えることで問題がいくらでも作問できる
ため、
出題される可能性がある全ての問題パターンを勉強することは不可能
です。
つまり、パターンを覚える勉強は効果が低いため、下記を意識した勉強が求められます。
工業簿記・原価計算で求められること
- 最低限のルールを覚えること
- 問題文の指示に従って解答すること
そして、上記を意識するために大切なのは、
過去問を解く
ことです。
大切な3つのポイント
過去問は大切ですが何となく解くだけではあまり意味がありません。
過去問を解く際には下記3点を意識して解きましょう。
- 作問者の意図を読み解く
- 問題文を注意深く読む
- 初見の問題に慣れる
それでは、上記を解説していきます。
1. 作問者の意図を読み解く
過去問を見ると、作問者が簿記1級合格者に対して、
何を知ってて当然の知識と思っているか
を知ることができます。
例えば、問題文に「階梯式配賦法を用いている」とのみ記載されているとします。
この場合、作問者は簿記1級に合格するレベルの人であれば
「階梯式配賦法」とは何かを知っていて当然
と思って作問しているかもしれません。そして、
同レベルの論点についても知っていて当然
と思っているかもしれません。
次に、過去問に用語の解説があるものに関しては、
過去出題したため今後は知っていて当然
と思うかもしれません。
一方で、同レベルの論点に関しては、
未だ出題したことがないため知っていて当然とまでは思わない
かもしれません。
そのため、過去問から下記の様に勉強の優先順位を知ることができます。
優先順位
- 過去問に出題されたものすべて(必須)
- 用語の解説なく出題されたものと同レベルの論点(必要)
- 用語の解説され出題されたものと同レベルの論点(余力があれば)
2. 問題文を注意深く読む
工業簿記・原価計算はパターンで解くことができません。
そのため、日頃から問題文を読まずに勘定連絡図や原価計算のための図を書くクセをやめ、
- この問題では何が問われているのか
- 何を解かなければならないか
を考える訓練を積む必要があります。
〇〇が出題されたら〇〇をすると言った思考停止状態にならずに、
日頃から第一問と第二問の全体を通じ、作問者が全体として何を聞いているのか
を意識し問題文を読むとミスが少なくなります。
例えば、第140回原価計算では、
- 問1、四捨五入の指示なし
- 問2以降、四捨五入の指示あり
でした。
問1では、
全額を回収する損益分岐点の年間撮影件数
を求める問題が出題されていました。
ではなぜ問1では四捨五入の指示が無かったのかを考えてみましょう。
損益分岐点とは、下記の様に定義づけられています。
損益分岐点(そんえきぶんきてん、英: break-even point, BEP)は、管理会計上の概念の一つ。
売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高または販売数量を指す。前者を損益分岐点売上高といい、後者を損益分岐点販売数量という。
つまり、全額を回収する損益分岐点の年間撮影件数とは、
コストをすべて回収できる年間撮影件数
と言い換えることが出来ます。
例えば、下記設問の場合、
- 総コストは100,000円
- 一件撮影するごとに3,000円の収入が発生
全額を回収する損益分岐点の年間撮影件数いくつでしょうか。
先ず、100,000円÷3,000円≒33.33件と計算することが出来ます。
では、小数点以下を四捨五入して33件と答えてしまって良いのでしょうか。
33件では3,000円×33件=99,000円と、100,000円を回収できません。
しかし、34件で3,000円×34件=102,000円と初めてコストを回収できる撮影件数になります。つまり、
全額を回収する損益分岐点の年間撮影件数とは一つしかなく四捨五入の指示が必要ないため記載されていない
と言うことです。
このように注意深く問題文を読むことでさらに理解を深めていくことが出来ます。
3. 初見の問題に慣れる
初見の問題に慣れるために一番有効なのは、当然のことですが
初見の問題を解くこと
です。しかし、
質の高い初見の問題をたくさん準備することは困難
です。そこで、
初見の問題を無駄にしないことが大切
です。
そのためには下記の点に気を付けた方が良いと思います。
初見の問題を解く際のポイント
- 何となく解かないこと
- 思考過程をメモしながら問題を解くこと
パターン化して何となく問題を解いてしまうと試験に対応できません。
何となくで解くのは辞めた方が良いです。
工業簿記・原価計算では問題文に記載されている前提条件が特に重要です。
初見の問題文を読んで
- 自分がどのように考え
- どのように答えを出したのか
をメモしておくことで、
- なぜ間違えたのか
- 間違えないためには何をしたらいいのか
が明白になります。
そのため、初見の問題を解く際に思考過程のメモを残しておくことがおすすめです。
初見の問題を解く貴重なチャンスを大切に活用しましょう。
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