この記事でわかること
- 日商簿記1級って何?
- 受験資格・合格率・試験場所・試験範囲は?
- 日商簿記1級を取った方が良いの?
簿記1級に興味があるけど、簿記1級っ何?取る意味あるの?
というお悩みはないでしょうか?
今回は簿記1級ホルダーが、あなたのお悩みを解決できる記事を書きました。
日商簿記1級とは
日本商工会議所と各地商工会議所が実施する簿記に関する検定試験です。
国家資格ではありませんが
社会的な評価が高く、また、公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門
と言われています。
内容・レベル
簿記1級では、極めて高度な
- 商業簿記
- 会計学
- 工業簿記
- 原価計算
が出題されます。
簿記1級で求められるレベルは会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、
経営管理や経営分析を行うために求められるレベル(大学レベル)
とされております。
決して簡単な試験とは言えませんが、
簿記に関する最強の価値を有するすごい資格
です。
日商簿記2級との違い
- 日商簿記2級よりも商業簿記・工業簿記の難易度が高いこと
- 会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規に関する知識に関する問題が出題されること(+会計学)
- 経営管理や経営分析に関する知識に関する問題が出題されること(+原価計算)
受験資格
日商簿記1級に
受験資格はありません。
学歴要件がなく、学生でも社会人でも何方でも受けることがあります。
また、資格要件もないことから、
簿記2級に合格する必要もありません。
簿記1級は簿記2級よりも難しいことは間違いありませんが、
出題形式も出題内容も異なります。
そのため、簿記1級合格を目指すために、
わざわざ簿記2級から勉強をする必要はありません。
私自身も、簿記2級、3級の勉強をせずに、いきなり簿記1級から始めました。
合格率
商工会議所の検定試験のホームページに過去20年分の受験者数と合格率に関するデータが公表されています。
データによると2021年6月から2016年11月の過去10回の合格率(総合格者数÷総実受験者数)は約9.6%であり、
およそ10%前後の合格率
と言えます。
ちなみに、過去20年で、
- 最高合格率は第116回(2007.6.10)の13.6%
- 最低合格率は第114回(2006.11.19)の3.5%
です。
直近の合格者に関するデータは公表されておらず、
年齢別、高校生、大学生、社会人別の合格率や平均点、平均受験回数等の情報は不明
です。
ちなみに最年少は
中学生(3年)の14歳
です。
公式なデータはありませんが簿記1級の受験生の多くは、
会計士・税理士を目指す学生
とも言われいます。
その中での合格率10%であるため、かなりの難関であると言えます。
参考記事
受験者数
昔(2010年頃)は受験者数が2万人を超えることもありましたが、
過去10回の平均受験者数は約9万5千人
です。
受験者数減少の要因は公表されていません。
リーマンショック以後の会計士就職難による会計士受験生が減少していることも関連しているのかもしれません。
試験の実施
簿記2級・3級にはネット試験がありますが、
簿記1級にネット・オンライン受験はありません。
試験は、年2回、試験会場でペーパー(紙)により行われます。
試験場所
日商簿記1級は全国各地で行われています。
各地の商工会議所が施行しているため、試験会場は、
試験日の2カ月前を目安に受験希望地の商工会議所のホームページ
を確認しましょう。
⇒ 商工会議所検索
試験科目
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 | 足きり |
---|---|---|---|
商業簿記 | 90分 | 70%以上 | 各科目40%以上 |
会計学 | |||
工業簿記 | 90分 | ||
原価計算 |
試験時間は、
- 商業簿記・会計学 90分
- 工業簿記・原価計算 90分
の計3時間です。つまり、
1科目当たりの試験時間は45分以内に解く必要
があります。
各科目25点満点で、
合格点は70点
です。
4科目中10点に満たない(40%未満)科目が1科目でもあると不合格となります。
全科目、計算結果や仕訳、勘定科目などの記述式で、基本的に、
論述は出題されません。
試験範囲
試験範囲の一覧は商工会議所の検定試験のホームページに公表されています。
また、あわせて、
翌年度の暫定版の試験範囲も公表されています。
独学の場合には特に試験範囲の改定・変更に注意が必要です。
例えば、収益認識基準が新しくなったことから
2022 年度試験から適用する予定の暫定版では特殊商品売買が試験範囲から削除
されています。
このような変更点・新論点を見過ごさないように一度目を通しておいた方が良いと思います。
参考記事
日商簿記1級を取る必要性
簿記1級合格のメリットは、
- 税理士試験の受験資格が得られこと
- 会計士試験の財務会計論、管理会計論と出題範囲がほぼ同じであり勉強がスムーズに進められること
- 多くの大学・短大等で、推薦入試の基準や単位認定の対象としても利用されていること
- 多くの企業で、昇進や昇格の条件、資格手当の対象とされていること
その他にも、
大企業の決算書を見る力が養われるため
- 株式投資
- FX
などをする上で役に立つことが挙げられます。
反対に簿記1級を勉強するデメリットは、
- 合格までに最低500時間以上の勉強が必要
- 会計・税務と関係のない仕事をする人にとってはあまり役に立たないため簿記の資格を取得するが意味ない(趣味として勉強する分にも十分楽しいし面白いですが。)
とは言え、一般生活でも例えば、家計や貯蓄・資産運用・投資などで、
数字を全く使わないことは無い
と思いますので、
全くの無駄になることは無い
と思います。
特に、
- 会計士・税理士を目指している人
- 高校生(一部の大学・専門学校で推薦や授業料免除があるため)
- 会社の昇給・昇進条件になっている人
には費用対効果の高い資格であり、取る意味はあると思います。
転職のために簿記1級を考えている方は、勉強を始める前にこちらの記事を是非ご覧ください!
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